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2026.10.15

相続人が複数いる不動産売却|揉めないために知っておくこと

相続人が複数いる不動産売却|揉めないために知っておくこと

この記事でわかること:相続人が複数いる不動産を売却する流れ、遺産分割の方法、相続人どうしで揉めないためのポイントと税金の基礎知識。
親が亡くなり、兄弟姉妹など複数の相続人で実家を受け継いだものの、「誰が手続きを進めるの?」「意見が合わなかったらどうしよう」と不安を感じている方は少なくありません。
この記事では、不動産に詳しくない方にもわかるように、揉めずに売却まで進めるための知識をまとめました。

相続人が複数いると不動産はどうなる?

結論:遺産の分け方が決まるまで、不動産は相続人全員の「共有」の状態になり、一人の判断では売却できません。
共有とは、一つの不動産を複数の人で持ち合っている状態のことです。
共有の不動産を売るには、原則として共有者全員の同意が必要です。
たとえば兄弟3人で相続した場合、2人が「売りたい」と言っても、残る1人が反対すれば売却は進みません。
そのため、相続人が複数いる場合は「全員で話し合い、合意すること」が売却の出発点になります。

売却の前に必ず必要な「遺産分割協議」

結論:相続人全員で遺産の分け方を話し合い、その内容を「遺産分割協議書」にまとめることが最初のステップです。
遺産分割協議とは、亡くなった方の財産を誰がどのように受け継ぐかを、相続人全員で話し合って決めることです。
話し合いの結果は遺産分割協議書という書面にまとめ、相続人全員が署名し、実印を押します。
この協議書は、名義変更の手続き(相続登記)や売却の際に必要になる大切な書類です。

売却までの大まかな流れは次のとおりです。

  1. 戸籍を集めて相続人を確定する
  2. 不動産の価値を把握する(査定)
  3. 相続人全員で遺産分割協議を行い、協議書を作る
  4. 相続登記(不動産の名義変更)を行う
  5. 売却活動を行い、売買契約・引き渡し
  6. 売却代金を取り決めどおりに分ける

なお、2024年4月から相続登記が義務化されました。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない場合に10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の対象となります。
売却する予定であっても、話し合いを先延ばしにしないことが大切です。

不動産の分け方は4種類|売却するなら「換価分割」

結論:相続人が複数いる場合、不動産を売ってお金で分ける「換価分割」が最も公平で揉めにくい方法です。
不動産の分け方には、主に次の4つがあります。

  • 現物分割:不動産をそのまま誰か一人が受け継ぐ方法。ほかの財産とのバランスが取りにくいことがあります。
  • 代償分割:一人が不動産を受け継ぎ、ほかの相続人にお金(代償金)を支払う方法。受け継ぐ人にまとまった資金が必要です。
  • 換価分割:不動産を売却し、得たお金を相続人で分ける方法。1円単位で分けられるため公平です。
  • 共有分割:相続人全員の共有名義にする方法。将来の売却や次の相続で、さらに関係が複雑になりやすい点に注意が必要です。

換価分割の注意点
手続きを簡単にするため、代表の相続人1人の名義に登記してから売却することがあります。
この場合、遺産分割協議書に「売却して代金を分ける(換価分割である)」ことをはっきり書いておかないと、代表者からほかの相続人にお金を渡した際に贈与(無償でお金をあげること)とみなされ、贈与税がかかるおそれがあります。

相続人どうしで揉めないための5つのポイント

結論:情報を全員で共有し、ルールを最初に決めておくことが、トラブルを防ぐ一番の近道です。
相続の揉め事の多くは、「知らされていなかった」「勝手に決められた」という不信感から生まれます。
次の5つを意識してみてください。

  1. 窓口になる代表者を決める:連絡や手続きの担当を一人決めると、話がスムーズに進みます。
  2. 査定額などの情報は全員に共有する:根拠のある価格を全員が同じように知ることで、「安く売られた」という不満を防げます。
  3. 最低売却価格と期限を決めておく:「〇〇万円以上なら売る」「〇か月で売れなければ価格を見直す」などを事前に合意しておきます。
  4. 費用の負担方法を決める:売却までの固定資産税、仲介手数料、測量費、片付け費用などを、誰がどの割合で負担するかを決めておきます。
  5. 取り決めは書面に残す:口約束ではなく、遺産分割協議書などに記載しておくと安心です。

親族どうしだと感情的になりやすいため、相続に詳しい不動産会社に間に入ってもらい、客観的な情報をもとに話し合うのも有効です。

相続人に事情がある場合の進め方

結論:相続人の中に遠方の方、判断が難しい方、連絡が取れない方がいても、適切な手続きを踏めば売却は可能です。
主なケースと対応は次のとおりです。

  • 遠方に住んでいる相続人がいる:遺産分割協議は集まらなくても、書類を郵送して順番に署名・押印する方法で進められます。
  • 認知症などで判断が難しい相続人がいる:家庭裁判所で成年後見人(本人に代わって財産の管理や手続きを行う人)を選んでもらう必要があります。
  • 未成年の相続人がいる:親も相続人である場合は、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらい、その人が協議に参加します。
  • 連絡が取れない・行方不明の相続人がいる:家庭裁判所に不在者財産管理人を選んでもらうなどの方法があります。

これらの手続きには数か月かかることもあります。
事情のある相続人がいるとわかった時点で、早めにご相談いただくことをおすすめします。

売却時の税金と使える特例

結論:売却で利益が出た場合は、持ち分に応じて相続人それぞれに税金がかかりますが、条件を満たせば特例で負担を軽くできます。
不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、所得税と住民税がかかります。
換価分割では、売却代金を受け取った相続人それぞれが、自分の持ち分について確定申告を行います。

主な特例
相続空き家の3,000万円特別控除:亡くなった方が一人で住んでいた家などを一定の条件で売却すると、利益から最大3,000万円を差し引けます。
ただし、2024年1月以降の売却で相続人が3人以上の場合は、1人あたり最大2,000万円となります。
取得費加算の特例:相続税を納めた方が、相続税の申告期限から3年以内に売却した場合、納めた相続税の一部を経費として差し引けます。

特例には細かな条件や期限があるため、売却のタイミングを決める前に確認しておくことが大切です。

よくある質問

Q. 相続人の一人が売却に反対しています。どうすればよいですか?

まずは反対している理由を丁寧に聞くことが大切です。
「思い出のある家を手放したくない」「価格に納得できない」など、理由によって対応は変わります。
査定の根拠を示したり、代償分割など別の分け方を検討したりすることで、合意できるケースも多くあります。
話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停という方法もあります。

Q. 自分の持ち分だけを売ることはできますか?

法律上は、自分の持ち分だけを売ることも可能です。
ただし、持ち分だけでは買主が自由に使えないため、物件全体を売る場合に比べて価格は大きく下がるのが一般的です。
また、ほかの相続人との関係が悪化するおそれもあるため、まずは全体での売却を話し合うことをおすすめします。

Q. 相続登記をしないまま売却することはできますか?

できません。
亡くなった方の名義のままでは売却できないため、売却前に相続登記を済ませる必要があります。
2024年4月からは相続登記が義務化されているため、早めの手続きが大切です。

Q. 売却までの間の固定資産税は誰が払うのですか?

遺産分割が終わるまでは、相続人全員が法定相続分(法律で決められた取り分)に応じて負担するのが基本です。
実際には代表者がまとめて支払うことが多いため、後で精算する方法を事前に決めておくと安心です。

まとめ

  • 相続人が複数いる不動産は共有状態になり、売却には原則として全員の同意が必要
  • 売却前に遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する
  • 売却して代金を分ける「換価分割」が公平で揉めにくい
  • 代表者・情報共有・最低価格・費用負担を最初に決め、書面に残す
  • 遠方・認知症・未成年・行方不明の相続人がいても、手続きを踏めば売却できる
  • 相続登記は義務化されており、税金の特例にも期限があるため早めの行動が大切

原田建物株式会社では、大阪を中心に近畿圏全般で、相続した不動産の売却・買取のご相談をお受けしています。
相続人が複数いるケースや、遠方にお住まいの方のご相談にも丁寧に対応いたします。
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