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2026.07.31

空き家を放置するリスク|固定資産税から特定空き家指定まで

空き家を放置するリスク|固定資産税から特定空き家指定まで


空き家を放置すると、固定資産税が上がったり、行政から指導や命令を受けたりするおそれがあります。
放置によって生じるリスクと、今からできる対策をわかりやすく解説します。

空き家を放置するとどうなるのか

空き家を放置すると、固定資産税の負担が増えるだけでなく、
行政からの指導や勧告、命令、最終的には強制的な解体(行政代執行)にまで発展するおそれがあります。
まずは、放置によって起こりうるリスクの全体像を確認しておきましょう。

空き家を数年にわたって使わないまま放置していると、建物は少しずつ劣化していきます。
屋根や外壁が傷み、庭木や雑草が伸び放題になると、倒壊の危険や害虫の発生、不法侵入、近隣とのトラブルにつながることもあります。
資産としての価値も下がっていき、いざ売却しようとしたときに買い手がつきにくくなる場合もあります。

さらに見過ごせないのが、税金と行政処分の面でのリスクです。
空き家の状態によっては「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定され、固定資産税の軽減措置が受けられなくなったり、
行政から改善を求められたりすることがあります。
次の項目から、それぞれの仕組みを順番に見ていきます。

固定資産税が上がる仕組み|住宅用地特例とは

住宅が建っている土地には固定資産税を軽減する特例があり、この特例が外れると税額が大きく増えます。
空き家を放置することが直接税金を上げるわけではなく、この特例が適用されなくなることが、税負担増加の主な原因です。

「住宅用地特例」とは、住宅が建っている土地について、固定資産税や都市計画税の課税標準額を軽減する制度です。
土地の面積が200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準額が6分の1に、200平方メートルを超える部分(一般住宅用地)は3分の1に軽減されます。
更地よりも住宅用地の方が税負担が軽くなるのは、この特例があるためです。

特例が外れるとどのくらい変わるのか

小規模住宅用地であれば課税標準額は6分の1から本来の額に戻るため、単純計算で固定資産税がおよそ6倍になる可能性があります。
一般住宅用地の場合も3分の1から本来の額に戻るため、負担は大きく増えます。
この特例が外れるきっかけになるのが、次の「特定空き家」への指定と勧告です。

管理不全空き家に指定されるとどうなるのか

「管理不全空き家」に指定されると、市区町村から指導や助言を受けます。
この段階ではすぐに固定資産税の特例が外れるわけではありませんが、放置を続けるとより重い「特定空き家」に進むおそれがあります。

管理不全空き家は、2023年12月に施行された改正空家法によって新たに設けられた区分です。
外壁や窓の一部が破損している、雑草や枯れ草が管理されずに伸び放題になっている、敷地内にゴミが散乱しているといった、
劣化が進みつつある状態の空き家が対象になります。
改正前は、危険な状態がかなり進んだ「特定空き家」にならないと行政が介入しにくいという課題がありましたが、
この区分ができたことで、より早い段階から市区町村が指導や助言を行えるようになりました。

管理不全空き家の段階で指導や助言に応じて改善すれば、それ以上重い措置に進むことはありません。
反対に、指導を受けても改善しないまま放置していると、次に説明する「特定空き家」に指定されるリスクが高まります。

特定空き家に指定されるとどうなるのか

「特定空き家」に指定されると、固定資産税の特例が外れて税負担が増えるだけでなく、
命令違反による過料や、強制的な解体(行政代執行)による高額な費用請求にまで発展するおそれがあります。

特定空き家とは、倒壊のおそれがあるなど著しく保安上危険な状態、衛生上有害となるおそれがある状態、適切な管理が行われないことで著しく景観を損なっている状態、そのほか周辺の生活環境の保全のために放置することが不適切な状態にある空き家を指します。
市区町村は、こうした状態にあると認めた空き家を特定空き家に指定し、段階的に対応を求めていきます。

行政による対応の4段階

  • 助言・指導:改善を促す最初の働きかけです。
  • 勧告:改善を求める正式な通知です。この段階で、期限までに必要な措置が取られないと、翌年度から固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
  • 命令:法的な効力を持つ措置です。命令に違反すると、50万円以下の過料が科される場合があります。
  • 行政代執行:所有者に代わって行政が解体などを行います。解体費用は所有者に請求され、建物の規模などによっては100万円から300万円を超えることもあります。

特定空き家に指定されても、すぐに強制解体になるわけではありません。
それぞれの段階で改善すれば、次の措置に進むことはありません。
ただし、放置する期間が長くなるほど税負担や対応費用が膨らんでいく点には注意が必要です。

空き家を放置しないためにできること

空き家のリスクを避けるためには、早い段階で管理の方法や今後の活用・売却について考えることが大切です。
使う予定のない空き家であれば、放置を続けるよりも、早めに手放すことで税負担や管理の手間そのものをなくすことができます。

相続した実家をそのままにしているケースも少なくありませんが、
住む予定がないのであれば、早めに売却を検討することが結果的に負担を軽くすることにつながります。
建物の状態や立地によって売却のしやすさは異なりますので、まずは今の状態でどのくらいの価値があるのかを把握しておくと、今後の判断がしやすくなります。

よくある質問

Q. 空き家を放置すると、すぐに固定資産税が上がりますか?

いいえ、すぐに上がるわけではありません。
特定空き家に指定され、勧告を受けたうえで期限までに改善されない場合に、翌年度から住宅用地特例が外れて税額が増える仕組みです。

Q. 管理不全空き家と特定空き家は何が違うのですか?

管理不全空き家は、劣化が進みつつある段階で市区町村が指導や助言を行う区分です。
特定空き家は、倒壊のおそれがあるなど著しい状態に至った空き家で、勧告・命令・行政代執行の対象になります。
管理不全空き家は、特定空き家に至る前段階といえます。

Q. 相続した空き家に住んでいなくても、管理する義務はありますか?

はい、あります。
所有者には空き家を適切に管理する責任があり、相続した空き家であっても、放置すれば指導や税負担増加の対象になる可能性があります。

Q. 行政代執行になった場合、解体費用は誰が負担するのですか?

所有者が負担します。
建物の規模などによって金額は異なりますが、100万円から300万円を超えるケースもあり、支払えない場合は財産の差し押さえにつながることもあります。

Q. 空き家を手放したいのですが、何から始めればよいですか?

まずは今の建物や土地の状態を把握することから始めるとスムーズです。
空き家の売却や相続に関するご相談は、原田建物株式会社までお気軽にお問い合わせください。

まとめ

  • 空き家を放置すると、固定資産税の負担増加や行政処分のリスクが高まります。
  • 住宅用地特例が外れると、固定資産税が最大6倍程度に増える可能性があります。
  • 管理不全空き家は特定空き家の前段階で、放置するとリスクが進行します。
  • 特定空き家は、助言・指導→勧告→命令→行政代執行と段階的に処分が重くなります。
  • 命令違反には過料、行政代執行では100万〜300万円超の解体費用が請求されることもあります。
  • 早めの売却や管理の相談が、リスクを避ける近道です。

不動産のことは原田建物株式会社にご相談ください。